臥遊

絵の中の日本の旅

南朝の宗炳は、年老いて名山に登れなくなると、山水画を壁に掛けて「臥してこれに遊ぶ」と言った。ここでは雪舟(1420–1506)の国宝と、葛飾北斎(1760–1849)・歌川広重(1797–1858)・渓斎英泉(1791–1848)ら江戸時代の絵師の風景版画、あわせて 812 点を、描かれた場所に戻す。寝ころんだまま旅ができるように。

  1. 名所地図

    広重『東海道五拾三次』『名所江戸百景』『六十余州名所図会』など・英泉/広重『木曽海道六拾九次』・二代広重『東都三十六景』『諸国名所百景』・国員/芳瀧/芳雪『浪花百景』・北斎『諸国瀧廻り』『諸國名橋奇覧』『琉球八景』・貞信、芳国、貞秀の上方名所・谷文晁『日本名山図会』・川瀬巴水の 1930 年以前の新版画・雪舟の国宝 6 点

    730 点を実際の地図の上に置き、題名・地名・絵師で検索もできる。東海道と中山道は日本橋から京都への二本の道として描き、東海道の各宿には広重晩年の竪絵版を、多くの宿場には 1797 年『東海道名所図会』の挿絵を添えた。中山道には 1805 年『木曽路名所図会』があり、この本は鹿島と日光まで描いている。名所江戸百景は江戸の城下まで拡大でき、69 点に約 20 年前の『江戸名所図会』の同じ場所を、28 点に 5 年後の二代広重『東都三十六景』を対照させた。大坂は『浪花百景』100 点で埋まり、京都と琵琶湖のほとりにも上方の名所絵がいくつかある。六十余州名所図会は一国一点で全国を覆い、谷文晁『日本名山図会』の 90 図は一図に一山、北は蝦夷の羊蹄山・有珠山まで。道筋は雪舟の生涯の旅(備中、山口から海を渡って明へ)、芭蕉のおくのほそ道、そして『伊勢参宮名所図会』の関の追分から二見浦までの参宮道。観音霊場は『観音霊験記』の西国三十三所と秩父三十四箇所、一寺一枚。

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  2. 望富士:曼荼羅

    北斎『冨嶽三十六景』46 点・広重『冨士三十六景』36 点

    富士山を中心に、各図を描かれた場所の旧国にしたがって、山頂から見たおおよその方角に並べた。二人の絵師を切り替えて見比べられる。

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  3. 江戸歳時記

    広重『名所江戸百景』119 点

    原作の目録どおり春・夏・秋・冬の四部を、真上から時計回りに一年の輪にした。輪の内側は江戸城を中心にした地図で、点のひとつひとつが一図の場所。季節と場所を見比べられる。

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特集

ひとつのテーマから名所地図へ。

『冨嶽三十六景』のもうひとつの見せ方